「Cloud Collector #50 SOUTHERN ALL STARS『綺麗』」を表示中↓
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「悪いな、のび太。これ3人用なんだ」っていうスネ夫さんの意地悪に対して、
「うわぁ〜んドラえも〜ん!3人用禁止条例出して〜!」
という要望を伝えたら完封勝利でしょうか。S2です。
昨年の5月くらいに企画草案してますので、この調子でいくと全てのCDをやり終わるには
あと200年近くかかると考えると、
ゴールが見えてきましたねという気持ちになりますね。
もう完全に現実逃避状態ですがそれはそれとして、序章でも触れている通り本企画は
「プログラムが完全ランダムで選んだ1枚を改めてちゃんとじっくり聴きなおしてレビューする」というのが前提です。
なので、この50枚の中には「レビューサイトとして、いて当然のアーティスト」もいれば
「これはかなり選ばれし者しか共感してもらえないぞ」みたいなのもあれば
このレビューは必要だったのだろうかというものまでやってきました。
それくらいランダムが本当にランダムだったわけなんですが、
今回は仕組んだかのように綺麗な50枚目が選ばれました。こちらです。どん。
1. マチルダBABY
というわけで50枚目にしてようやくサザン様が来ていただけました。
サザンオールスターズさんは4大「僕をCD狂にしたアーティスト」のうちの1つなんです。
ちなみに残りの3つはCHAGE and ASKAさん、UNICORNさん、嘉門達夫さんです。
この3組がなぜ、というのはいずれその時にお話しするとして、サザンさんからは
「シングル聴いただけではそのアーティストの事は絶対何もわからない」
というのを最初に学ばせていただいた、という感じになります。
この瞬間から僕様の中では世の中から「一発屋」という概念はなくなったわけです。
そして同時に「このシングルいいな」→「アルバムもいいに決まってるな」→「たくさんあるな」
→「全部買わなきゃな」→廃人という構図が完成してしまったわけです。
もう廃人になってますので賠償金も視野に動きたいと思っていますが
実際に動くとただの頭イカれた人になるのでやめておきます。
個人的には非常に面白い位置にあるアルバムだと思っています。
一つ前のアルバム「NUDE MAN」から、バラードベストアルバム「バラッド '77〜'82」を経て今作がリリースとなってるわけですが、
シングルリリースも含めた時系列でみると、
↓
アルバム「バラッド '77〜'82」(1982.12.05)
↓
シングル「ボディ・スペシャルII (BODY SPECIAL)」(1983.03.05)
↓
シングル「EMANON」(1983.07.05)
本アルバムでは未収録となっています。うーむ、「Ya Ya」はまさに「綺麗」を具現化させたような楽曲なんですけどね。
その後の「ボディ・スペシャル」についてはまったく綺麗ではないのでいいとして、
結果的に本アルバムに収録されたシングル曲は同発リリースの「EMANON」のみ、ということになります。
ただまあ、直後に高田みづえさんが「そんなヒロシに騙されて」をカバーしてシングルリリースしていることを考えると
間接的に2曲のシングルが収録されている、と捉えてもよいかもしれません。
よくよく聞いてみると「そんなヒロシに騙されて」は
えらく狭い範囲で勝手にフラれてるのがちょっと切なくも面白かったですが、
「EMANON」の圧倒的な「綺麗さ」や「NEVER FALL IN LOVE AGAIN」の美しさがアルバムタイトルにマッチしていくなか、
次作のド怪作である「人気者で行こう」に繋がっていく、
まさに変身過程アルバムといった1枚です。
ジャケットは花の写真に「KiRei」と書かれ、歌詞カードの裏表紙にも花の写真に「綺麗」と書かれており、
残念ながら次のアルバム「人気者で行こう」で「よどみ萎え、枯れて舞え」という楽曲があるため
僕の中ではこの花たちは速攻で枯れていますが、
結論としてS2さん的にはこの「綺麗」というタイトルは壮絶な皮肉と捉えています。
まず全体的に王道ロックな楽曲からラテン楽曲、レゲエっぽい楽曲、アフリカンな楽曲もあり、
綺麗どころか壮絶に散らかっている状況です。
ただ、これを通して聴くと「これがサザンさんなんだよな」という帰結になるから、やはりモンスターです。
前作「NUDE MAN」もまあまあ散らかってますが、この「綺麗」というアルバムについては
同じような楽曲が一切並ばないという配置になっている印象です。
ジグソーパズルで言うと全く違うピースを強引にハメてんのに枠には収まっているって感じ。
結果的に綺麗っていう。なんだこれ。どうなってんの。
くわえて「マチルダBABY」や「ALLSTARS' JUNGO」で打ち込みの要素を強くし始めたことで
次の「人気者で行こう」に対する助走みたいなものが、今にして思えば見えてきます。
わりと地味な印象のあるアルバムかもしれませんが、こう改めて聴くととんでもない配置がされている強烈なアルバムです。
「シングル曲がアルバムでは1ピースに過ぎない」というのはアルバムとしては成功例だと思いますが
このアルバムに関しては度が過ぎる。
僕目線ではこのアルバムがサザンさんの中で最も「まばらに全曲散りばめているアルバム」として超絶好きなアルバムでした。
いきなり「消え失せろ」言われても。
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