「Cloud Collector #74 Hiromix『Hiromix '99』」を表示中↓
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ども、S2です。
いつもは「日常のしょーもないこと」を序文にして、次から本題に入る為のマクラを用意している、っていう感じで
このエッセイは成立している感じにしてるんですが、
今回はマクラが2種類できちゃったので、導入文に困ってしまってまして、
もうヤケクソでそのまま勢いでいっちゃえっていう結論になりましたので
このまま不安定要素を混入した状態で進んでいきますね。
日本の音楽業界に於いて「ここは」というキーとなる時期っていうのが
いくつかあったんじゃないか、と思っています。
例えばよくいう「バンドブーム」ってやつとか。イカ天とかが流行して「インディーズ」という界隈が盛り上がった瞬間です。
他にも「日本語でロックをやるバンドが登場した」とか。はっぴいえんどさんやキャロルさんの登場ですね。
その他、ビジュアル系が茶の間に浸透した瞬間であったり、フォークソング全盛期があったりとか、
そういうポイントがいくつか存在していると思うんですが、
僕としては「1995年〜2002年あたりまで」というちょっと大きめな括りで
日本の音楽が急速的に進化し、多角的になったという印象があります。
なかでも「1997年〜1999年」の3年間は、
いわゆるバンドブームにも引けを取らない個性的なアーティストが続々と台頭してきたという印象がありまして、
今回ランダムプログラムで選ばれた1枚は、まさにこの時代を象徴する1枚だと思います。こちらです。どん。
歌詞カードやジャケットに一切記載がなくてオマケ的に収録されている楽曲ですね。
その収録のされ方はいろんな種類があります。
・ただただ記載されてないだけで、最後のトラックに普通に収録されているっていうパターン。
・いくつも空白のトラックが用意され、数十トラック先で突然収録されているパターン。
・歌詞カードやジャケットに記載された最後の曲のトラックが終わらず、無音の状態が続いて突然始まるパターン。
・1曲目の前のギャップを使って収録され、1曲目が始まったら早戻しすると存在が確認できるパターン
まあ様々なやりかたで存在していては購入者を驚かせてくれたり喜ばせてくれたりするわけです。
最後のトラックの演奏が終わってるのにCDが自動停止しないことに気づいた瞬間なんかは特に
「なんだなんだ!?何が始まるんだ!?」とワクワクさせてくれるわけなんですが、
それを踏まえて今回は裁きを与えたいと思います。こちらです。どん。
1. cliche -しあわせの嵐
あの時代「ティーンエイジカメラマン」として突如登場し、またたくまに人気を博し、
その流れでなぜか歌い手にもなっちゃったっていう感じです。
本作が出る前にシングルで2曲目の「ハロー!アイ・ラヴ・ユー」と6曲目の「誕生日」を収録したものをリリースしており、
そこから約1ヶ月でアルバムリリース。かなりハイペースでのリリースだったんですが、
オリジナル音源としてのリリースはこれが本日時点で最後となっています。
全ての楽曲の作曲にカジヒデキさんと、ニール&イライザの堀江博久さんによるユニット「DOTS + BORDERS」、
リリースレーベルはコーネリアスさんが主宰のトラットリアから、という
この時代を全て詰め込んだような作品となっています。
ちなみに、どうもシングル「ハロー!アイ・ラヴ・ユー」以前に、1曲目の「cliche -しあわせの嵐」と
5曲目の「桜色グラフィティ」を収録したシングルがあるらしい?みたいな情報はあるんですが、
実物を見たことがなくて謎です。誰か知ってる人教えてください。
「究極のミラクルアルバム!」とか書いてあってですね、
ちょっと意味がわからないんですがそれはそれとして、
収録内容についてはまさにDOTS + BORDERSさんの音楽そのものという感じで、
1997年にカジヒデキさんのシングル「恋人が待っている/ヘイ・ヘイ・ベイビー・ポップ」の「ヘイ・ヘイ・ベイビー・ポップ」で
デュエット経験があるので、そもそもカジさんの音楽性とのマッチは既に立証済みなんですよね。
作詞は全てHiromixさん自身が行ってまして、さすが恋のピンチ・ヒッターだなという感じで
甘酸っぱい青春ラブソングが展開されているという感じです。
あまり「恋のピンチ・ヒッター」を連呼するとすかんちさんの歌みたいになっちゃうので
この部分のイジリはこの辺にしておくことにしますが、この歌詞内容にDOTS + BORDERSさんたちによる作曲は
完全に相性抜群で、Hiromixさんの可愛らしい歌声でさらに「乗せた」っていう感じがします。
音程の危うさすら愛嬌です。
繰り返しですが全部ひっくりめて時代の象徴です。
そしてどういう事やねんコレっていう巨大クエスチョンを叩きつけることになるわけです。
1曲目を早戻ししても何も出てこないので、ギャップを使ったシークレットトラックもありません。
ただ、9曲目の「ため息と5月」(超名曲)に関しては、この楽曲の本編がだいたい
7分16秒くらいで演奏が終了するんですね。
ところが、その後も無音状態のまま時間だけ過ぎて行くわけですよ。
となると?ハイ来たコレ!シークレットトラックの予感!
そもそも収録曲数は9曲です。長めの楽曲もありますが短くまとまった曲もあるので、
収録できる容量に余裕は全然あるわけですよ。
で、ここまでオリジナル楽曲が続いて、かつトラットリアというレーベルの特徴まで考えれば、
シークレットトラックは何かの洋楽のカバーとかが来そうな予感まであるわけですよ!
あるいは収録楽曲のリミックス?それとも表記の無いオリジナル曲追加?
「ヘイ・ヘイ・ベイビー・ポップ」をリアレンジとか!?ニール&イライザさんの楽曲のカバーとか?あるある!
こう「無音の時間」がどんどん「この後来る音の想像」を掻き立てていくわけです。
シークレットトラックの楽しみ方というか、このワクワクがCDの楽しみの一つだったりするわけですよ。
さあどうするどうなるHiromixさん!
本編終了が9曲目の7分16秒。その後、無音の時間が続き、
2分20秒ほど経過した、9曲目9分37秒目頃!
「キラーン☆」という小さめな効果音が聞こえて!
このCD終わるんですよ!
ちょっと待って!いる!?これ。
はい全員集合!1時間くれてやる。意図説明せぇ。
シークレットトラック史上最もフェイクなトラックなんじゃないのこれ。2分待った意味よ。凄いなこれ。
あ、「納屋」なのか。燃えたのかと思ってた。
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