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「Cloud Collector #70 RAVEN『限り無く赤に近い黒』」を表示中↓

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★2024年10月21日(月)★Cloud Collector #70

最近、インフルエンザの予防接種でやる注射の代わりとなる、点鼻用の「フルミスト」ってやつが開始され、

うちの娘ちゃんもこれを摂取させることにしたんですね。

娘ちゃんは注射が嫌いすぎて病院の待合室で1時間、摂取前から泣き続けるという

そういう昔話かなっていう状況になってしまうので、

この予防接種の方法は非常にありがたく、説明を受ける限りだと「もしかしたら注射のときよりも

鼻かぜっぽい症状がでやすいかもしれませんね」ということを言われたんですが、

全く関係ない僕が現在その症状です。なぜよ。S2です。





今回の一枚は、ようやくここにきてやっと良さに気づけた作品でした。

購入当時は、ほぼ「参加メンバーが好き」というだけで購入したものの、その難解さで「カッコいいけど、よくわからない」という

そんな感想で終わってしまっていたような気がします。

これ、結構マジで当時どれくらいの人がこの音楽に真正面から浴びて、完璧に把握できたのでしょう。

それくらい最高の「やりたい放題」みたいな1枚です。どん。





No. 5646





「限り無く赤に近い黒」
アーティスト名:RAVEN
発売日:2004/04/21

DISC1

1. Concorde Drive
2. 森のアリゲーター
3. Chevy
4. Cherry Bon Bon
5. Demonstration
6. Sugar Cube
7. Voodoo Club
8. Blue Waltz

DISC2 (Bonus CD)

1. Star Carpet Ride



「BLANKEY JET CITY」解散後、「CARNE」→「ROSSO」ときて、ROSSOさんの活動休止中にリリースされた

照井利幸さんによるソロプロジェクトの、本日時点で最初で最後のアルバムが本作となります。

なんかもう1曲目の「Concorde Drive」、続く「森のアリゲーター」を聴くだけでもう

「やりたいことをやってる気がするな」というのが実によくわかります。

この「やりたいようにやる」みたいな結果で出来上がった本作たちは、

ただ「歌モノ」として聴くと非常に難解な楽曲が並んでいます。

年月を経て今、久々に聴いたところでこのアルバムの良さについては、

そのベースラインであったり変拍子であったり、そういったバックグラウンドの完成度を楽しむ点にあるのでは、

というところに落ち着きました。いやこれ学生時代じゃ気づけなかったかもしれない。

元々メロディの美しい作品とかを好んでいた僕様としては、

本作のように釘棍棒振り回してくるような作品を正しく理解してなかったんだろうな、と。

言えば言うほど脳内がボストロールで溢れてくるので思考を停止しますがそれはそれとして、

現在になって聴きなおした今、結果的にものすごい大量の魅力をはらんだ1枚だったことにやっと気づけたという状態です。





そもそも本作は、「RAVEN」というバンドを結成して作成された、というものではなく

照井さんが集合させたセッションバンドによって作られた1枚、みたいな感じが一番近いかもしれないなと思います。

参加メンバーについてもブランキーさん時代からの盟友である中村達也さん、JUSTY-NASTYでギター弾いてた辻剛さん、

ミルククラウンに在籍していた尾崎さん、のちに「lloy」のボーカルとなるYUKOさん、

そして永遠のスモーキンビリーであるチバユウスケさんなど。

なんかもうスーパーボールすくいでもしたかのような大玉の集合体なわけですよ。

そして皆さんが、照井さんのやりたい音楽を見事に再現しているという感じで完成しているわけです。

これ、メジャーシーンにいるアーティストとしては幸せな時間だったんじゃないかなあ、という印象です。

100%わかってもらう気はないという感じがとんでもなくカッコいいんです。

でも「わかる奴は全員ついてこい!」と引っ張られた気もするんですよ。

皆さんこれライブじゃなくCD音源で伝わってくるって凄くないです?

普通、アルバムを通して聴いた際の感想って「○○という歌が特におすすめ」とか出るもんなんですよ。

違うんですよ。このアルバムは「まるごと喰え」としか言えないんですよね。

チバさんによるボーカルは見事にROSSOから引き継いだ照井さんイズムみたいなのを実によく表現してますし、

ほぼ対比的に存在するYUKOさんの綺麗なボーカルもまた違う魅力でマッチしています。

そこまでの照井さんの活動でいうところの「ROSSO」はもっとわかりやすい形で「まとまってた」んですが、

RAVENさんとしての活動は完全にROSSOさんのそれとは違うベクトルで完成しているな、というのがわかりますね。

ROSSOさんの活動がちょっと照井さんにとって窮屈な瞬間でもあったのかな?くらいにすら感じました。そんなことはないか。あれほどのバンドだし。







そんな本作、いわゆるブランキーさんやROSSOさんを聞いて「良い」と思った人へのおススメという形ではなく

完全にそれらを一旦切り離した状態での「照井さん」というアーティストを基軸にして聞く、いわば「リセット作品」として

ぜひお楽しみいただきたいという感じです。

活動休止中のROSSOさんとは、またちょっと違う作品であることは間違いありません。

このアルバムのタイトルから見ても、それは分かると思うんですよね。

「限り無く赤に近い黒」という言葉は、収録曲のどこにも出てこない言葉なんです。

曲のタイトルにも、これを揶揄しているものは存在しないんです。

けど、少し分解していけば。

「RAVEN」は「カラス」であり、黒の象徴。

「ROSSO」はイタリア語で「赤」。

この作品はきっと

「限り無くROSSOに近いRAVENである」ってことなんじゃないかな。

正解は知りません。思いついただけです。けど、聴いた感想とはマッチしちゃいましたね。

はー、なんてカッコいい1枚なのでしょう。まったく。凄いな、照井さんは。





では次回のランダムプログラム、どーん。





No. 6609





Next CD's Hint!!

サザンさんの92年はこんな年じゃない。





それでは、また次回。


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