「Cloud Collector #46 エレファントカシマシ『so many people』」を表示中↓
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棘のある薔薇の茎を人差し指と中指の間で持ち、薔薇の香りを楽しんだのち、
おもむろに敵に向かって投げる、
実査にやってみたことがあるのですが、
詳細については割愛させていただきます。S2です。
という事象を経験したことはありますでしょうか。
意外とこれ、そんなに経験したことがないんじゃないかなあ、という気がしています。
対象を「箱」に限定する必要はないんですが、フォーイグザンプル「誕生日プレゼント」という位置づけだった場合は
恐らく「貰う側」は「欲しいものを伝えてある」という状態だと思います。
ここに「複数候補があって、そのうちどれかが入ってるからワクワクする」だったとしても、
「根本的にガチで何が入ってるかわからない」という状態ではないので、これは該当しないものとします。
同様にサンタさんからのクリスマスプレゼント、についても同じなのかな、と思っています。
「会社や学校から、景品つきのイベントが行われ、その景品がナイショ」
っていうのであれば、これはかなりの確率で「景品なんだろうワクワク」みたいなことになるかもしれません。
このパターンで問題なのは貰って嬉しかったためしがあまりないという点かもしれません。
読書感想文の大会があります!1等に選ばれた人には商品があります!みたいなのがあって、
「優勝おめでとうございます!こちら商品です!」って渡された時点ではまだドキドキワクワクだったりして、
いざ開けてみたら図書カードみたいな。
こんなもん奴隷化計画ですよね。さっきまで読んでて感想まで書いたとこや!みたいな。
そしてその図書カードでまた読書感想文書いて、優勝してまた図書カード貰うわけですよ。
ここまできたら対抗馬のレベル低すぎ説も出てくるわけですが、
ちょっとこの時点でS2さん何を伝えたいのか見失っていますがそれはそれとして、
要するに「体験するまでのドキドキ」みたいなのを、皆さん経験してますかー?みたいなことを言いたいわけです。
結構僕の中ではある一定のアーティストの新譜を聴く時、この感覚になるんです。
もちろん聞いてみて「ああ、相変わらず良いなあ」って思うアーティストもいて、それはそれで尊いんですが、
「そもそも今回どんな曲!?」っていう感じになるアーティストもいると思っています。
枠にハマらないというか、定期的に違う感じになってくるというか。
そんな「今回どんな曲!?」って毎回陥らせてくれるアーティストが今回の1枚です。どん。
1. so many people
使われてただけでしたが、それから13年後に「sweet memory」が映画の主題歌に抜擢されたことで
どちらも日の目を見まくることとなりました。
シングルをあえて購入する必要があるかといえば、今現在で見ると「so many people」はいくつかのベストアルバムに収録、
「sweet memory」はそのまま「sweet memory」というベストアルバムに同バージョンで収録されているので
わざわざ今買いなおす必要はそこまでないかもしれません。コレクターズアイテムみたいなものですね。
あまりにもカッコいいイントロで始まり、屈指の音域工程差で疾走感抜群で歌い上げる表題曲と、
決意表明さながらで恋愛感を唄っていく感じのカップリング。メロディーメーカーのミヤジさん爆発です。
いやこれマジでなんてカッコいい、美しい歌なんだ!と思ってPVとか見てみたら
なんでブリッジしながら歌ってんの?っていう謎だけ残るという不思議な仕様です。
エレカシさんのPVではこの「so many people」と「暑中見舞」の2作は本当によくわかりませんが、
ミヤジさんがやることで「うん、まあ・・・そういうもんか」となぜか納得できるからまた不思議です。
あ、いや、薔薇の話はしませんけども、つまり「体験するまでのドキドキ」の話です。
今でこそエレファントカシマシさんといえば「元気をくれる歌」とかそういうイメージがつきがちです。
ですが、活動通年で見ると、そこには怒りやら諦念やら青春やら・・・とあらゆる要素が入り乱れています。
「エレファントカシマシをどこから聴き始めたか」によって、このバンドのイメージってそれぞれ全然違うんじゃないか、と思うわけです。
ちなみにS2さんの場合、エレファントカシマシさんを最初に聞いたのが「男は行く」というシングルなので、
僕が抱くエレカシさんのイメージは、なんというか、
壁ドンされて身動きができない中、ミリ単位しか離れてない距離で8時間くらい説教されるイメージです。
一般的な「月のように輝くだろう」みたいなメッセージであったり、
「さあ、がんばろうぜ!」と後押ししてくれたりっていう感じのイメージがあるかと思いますけど、
僕的にはそのイメージに到達するまでに20発くらいビンタくらってきたような感じです。
で、このシングルですよ。このシングルが立ち位置的にとんでもないところにあるわけです。
シングルリリース順で言うとですね、
↓
「so many people」(2000/01/26リリース)
↓
「コール アンド レスポンス」(2000/04/26リリース)
まず1つ前の「ガストロンジャー」のさらに1つ前のシングルが「真夜中のヒーロー」という、これまた超カッコいい曲で、
落ち着いた大人のロックみたいな感じでクールでステキでしびれちゃうわけなんですね。
さらにその前は「愛の夢をくれ」「ヒトコイシクテ、アイヲモトメテ」といった、ちょっとレトロ感のあるロック楽曲だったもんで、
ある意味ここまでで形を作ってきた様な感じなんですね。
で、そこまで綺麗な形を作り上げてきたところに「ガストロンジャー」が来たことで
組み立てたジェンガを金属バットフルスイングで破壊する様な事が起きたわけです。
「ガストロンジャー」がどんな楽曲かについてはぜひ検索していただきたいと思いますが、ここで言いたいのは
「ガストロンジャー」がどういう楽曲だったかではなく、「ガストロンジャー」以前がどんな曲だったかなんです。
そこまでのレトロ風ロック→大人の落ち着いたロック、ときてガストロンジャーで一旦全て白紙化した状態となり、
この衝撃からわずか1ヶ月でこの「so many people」がリリースされたとなって、
ジャケットが「ミヤジさんが全力で走ってるとこ」みたいなやつなんですよ。
ほら。聴くまで全く想像できなくないですか?
これです。僕が言いたいのは。「体験するまでのドキドキ」です。え、ガストロンジャーの次なんでしょ?みたいな。
この当時の時点でそうだったんですが、今から体験する方はさらに、この次にある「コール アンド レスポンス」も注目です。
こちらは簡単に言うと全員死刑になる歌で、これはこれでまたとんでもない衝撃です。
これらに囲まれてるシングルって何なんだよ!ってなりますよね。
さらにもっというと「コール アンド レスポンス」と同日発売となったアルバム「good morining」がまた、
全編どうかしちゃったアルバムなので、
それを踏まえてこの「so many people」であったり「sweet memory」だったり、って考えると
「え、次何が来るの?」っていうドキドキが絶対爆誕するはずなんですね。
これを経験してしまうと、もうエレファントカシマシさんが新譜をリリース、っていうニュースを見ただけで
何かが起きるかもしれないという謎の緊張感を楽しめるようになるわけです。
でもこれって相当凄いことだと思うんですよ。概念にとらわれないで、その衝動を楽しめるっていうバンドが
メジャーシーンで今も健在だっていうことに。それを許容させるエネルギーがずっとあり続けていることに。
ガストロンジャーの次にこのシングルを切ってきた、というたった1つの事実が、
とんでもない可能性の魅力を生むこととなってしまったんだと思うわけです。やっぱすごいんですわ、エレカシさんは。
僕の瞳にももう映ってませんが、
確実に近年の音楽の基盤となった
メジャーファーストシングル。 Copyright (C) 2002-eternity Syun Sawaki/S2 All rights reserved. |