「Cloud Collector #40 FLIPPER'S GUITAR『BLUE SHININ' QUICK STAR 星の彼方へ』」を表示中↓
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もうすっかり過ぎ去りましたが、4月29日は「昭和の日」でした。
この日は「国民の祝日に関する法律」によると、
「激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす」という
趣旨があるそうなんですが誰か、いたしました?思い。S2です。
冷静に考えると「そもそもコレ何故発売した?」と不思議になる作品もあります。
おそらく当時はタイアップの問題だったり、契約上の約束であったりってことで強引にリリースに持って行ったり、
レコード会社なり事務所なりの意向で発売されたりしたものもあるんだとは思います。
ただ、時を経て改めて見つめ返した時にその意図がまるで伝わらない状態にあると
「コレ購入する必要あるやつなんだっけ」というのがわからなくなる、みたいな状態になります。
コレクターやってると(やってた記憶はないけど、そうなっちゃってる私みたいなのも含め)、「買うべきか否か」にぶちあたる、
その一例として今回の1枚です。どん。
1. BLUE SHININ' QUICK STAR 星の彼方へ
2人組ユニットですね。歴で言うと色々ありますが、この作品自体は現時点ではシングルとしては最後にリリースされたもので、
この直後に小沢さんから小山田さんへ「もうフリッパーズやめない?」という発言により解散と向かうわけです。
ほんとに星の彼方へ行ってしまってるじゃんと今にして思えばよくできてるかもしれませんが
それはそれとして、リリース時点ではまだ誰もフリッパーズ・ギターさんの解散という話は存在していない(本人たちはともかく)ので、
バンドそのものはフラットな状態で存在していたという前提で考えても、冒頭の記載の通りこのシングルは
「後年、どうしたらいいか」という点に直面するシングルだったりします。
このシングル、表題曲はCMソングとしてタイアップ楽曲となっているため、シングルカットされたのはその辺に理由があったかもしれません。
そうなると、「CMで聴いたあの曲ステキ☆聴きたくなっちゃうわん☆」という感じになった場合、
狙い撃ちでこのシングルを購入すればOKですしちょっと脳部を検査した方がいいと思います。
この展開であれば、このシングル「だけ」を購入することに意味は当然生じますよね。
多分この購入方法は、現代における配信シングルのみを購入する動きと同じ感じだろうと思います。
つまり「この歌を買っている」というのが前提であり、
「FLIPPER'S GUITARさんだから」とか「集めたいから」とかっていう購入動機とは全く異なるベクトルが働いているわけです。
廃盤にならない限りは、この購入方法で全く問題ないですし、この方がリーズナブルではあるわけですよね。
この場合はもう深い購入動機を考える必要はありません。
なぜならこれは「そこに山があるから、登る」というのと全く同列の思考だからです。
そのシングルリリースにどういう意図があろうと、どんな形態でリリースされようと、全く関係ないのです。
なぜなら「そのアーティストだから買っている」という強すぎる意思が存在するからです。
S2さんの購入動機の半分くらいはこの経路で動いています。深く考えないで買います。
そして後年になって「なぜだっけ」と考える瞬間が訪れることになります。
純粋なコレクターによる購入は上記の「アーティストだから」と考え方はたいして変わらないです。
集めなさい、という天上界からの指示に従っているだけなので、これもそこまで深くは考えません。
S2さんの購入動機の残り半分がだいたいこれです。やばくね?>僕様。
で、コレクター購入の中でもう一つ存在するのが「楽曲コレクター」です。
これはどちらかというと「当時気になってなかったけど、あとで気になったから集めようと思います」という考え方で、
「音源が全部聞ければ大丈夫です」という状態になっている場合です。
つまりこの場合は「BLUE SHININ' QUICK STAR」とカップリングの「DOLPHIN SONG」が聴ければ達成されます。
さらにこのコレクター収集には「ジャケットが違うから」とか「使われている写真が違うから」みたいなディープな収集も
あるかもしれません。まあ、コレクターというのはつまりそういうものなんですけど、
このシングルは後年で購入しようと考えた際にその辺の理由を片っ端からへし折ってきます。
「BLUE SHININ' QUICK STAR」も「DOLPHIN SONG」も、このシングルがリリースされる1か月前に出たアルバム
「DOCTOR HEAD'S WORLD TOWER ヘッド博士の世界塔」にもれなく収録されているんですね。
つまり、アルバムまでちゃんと購入している人としては、このシングルのリリースについて
基本的には「音源」という側面では、一切購入理由がないわけです。
もっと言うとそこから1年後に「Singles」というベストアルバムがリリースされ、
それにももれなく収録されたので、そっちを買ってしまえばこのシングルを追い購入する理由がありません。
で、そこでようやく「付加価値」について検討に入るわけなんですが、
このシングル、ジャケットは「DOCTOR HEAD'S WORLD TOWER ヘッド博士の世界塔」の使いまわしです。
そんで中の写真も「DOCTOR HEAD'S WORLD TOWER ヘッド博士の世界塔」の使いまわしです。
おまけに「DOLPHIN' SONG」については歌詞が記載されていません。
付加価値どころか足りないという結論ですらあるわけです。
「DOCTOR HEAD'S WORLD TOWER ヘッド博士の世界塔」にせよ「Singles」にせよ、パーフリさんのアルバムは名曲だらけですので
後年で購入するのであればわざわざ探しにくい8cmシングル買わなくていいのです。
いやマジで。アルバムにしとけ?
こういうシングルを購入する、という決断をする瞬間、
こちら側の世界へようこそ、と足を踏み入れることと同義になります。
ありとあらゆるサンプリングを駆使し、つなぎ合わせたピースがここまで綺麗に完成するのか、と変な感動すら覚えます。
当時これを「パクリ」と簡単に揶揄しているライターも多かったんですが
「サンプリング」の手法を無視してたらヒップホップなんかとっくに消滅してるぞ?と思います。
これだけいろんなところからかき集めた「音楽への無償の愛」で完成した作品を、そんなチープな表現で捨てるな、と思います。
ちなみに「DOLPHIN SONG」は配信できないらしいです。サンプリングしすぎで。
そんな「DOLPHIN SONG」は、「どのメロディラインにも戻ってこない」という構成でできています。
つまり「サビが〜」「Aメロが〜」みたいな概念がありません。
1980年にSOUTHERN ALL STARSさんが「Five Rock Show」という楽曲でこういう「歌の集合体」を作りましたが
(ただし「Five Rock Show」は最初のメロディだけ1回戻ってくるんですが、その戻り方とその後の展開が凄すぎる)、
11年経てFLIPPER'S GUITARさんが同じような構成の作品で挑戦している、っていうのもなかなかオツだなぁと感じます。
こういう冒険、もっと今のミュージシャンもやってみていいのになあ。
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